机のまわりの小さなタイドプール〜秋その3〜

昨年の秋、海月観察会を開催してから、机のまわりの小さなタイドプールについて公開している。

実際には水生生物や微生物以外にも苔なんかもいる。

玄関のドアの外には種から育てた小さな樹木なんかも。

 

ベニクラゲ(成体:メドゥーサ)はまだ頑張っている。

採集してもらった時に成熟個体だったので寿命3ヶ月のベニクラゲではすでに2ヶ月は経過していると判断し、1ヶ月維持できればよし(の個体です)として送ってもらった。

ポリプもところどころ枯れてきているものの、その先は生きていて捕食しているので、もしかしたら新しいコロニーができるかもしれない。

 

(ちなみに、ベニクラゲのポリプは成長すると、中心部分に栄養貯蔵場所ができるようだ。

ここを中心として、放射状にストロンが伸びている。

そのストロンが部分的に透明になってしまっているのは、ポリプが萎縮すると栄養を送れなくなるので、ストロンが切れるのだそうだ。

この場合、中心に近い切断ヶ所以降は死んでいるのが普通だが、希にポリプは生きている(触手が伸びている)のに、ストロンが切れる場合があって、その場合はそこを中心にして新しいコロニーが形成されるとのこと。

しかし、これは一般論で、ベニクラゲの場合はまだ前例はないようだが。

もともとベニクラゲ研究第一人者の久保田先生でも、ポリプの維持はクラゲよりも難しいと論文に書かれたいたので、まあ、素人初心者はこんなもんだろう。)

 

 

ヒドロ虫綱の海月は水温が上がるとクラゲを出すと言われている。

しかし10月後半になって気温が下がってきてから、エダアシクラゲがクラゲを出し始めた。

2容器あるうちの両方とも、クラゲが出ている。

 

エダアシクラゲ/きらら舎

エダアシクラゲ/きらら舎

満腹中

 

エダアシクラゲ/きらら舎

これは11/4の微生物BARにて、Life is small Campanyの白根さんがL-eyeで撮影したもの。

触手が小枝のように枝分かれしているので、エダアシクラゲ。

触手の基部に近い方に吸盤があり、これを使って岩や海藻、飼育下では水槽の壁などにくっついている。
触手には水滴みたいな粒がついている。

触手の付け根にある黒い点は眼点。

 

エダアシもアクアリウムバスまでクラゲ出続けていたら、少し持っていってみようかな。

 

 

サカサクラゲの中堅水槽。

大きなものは販売はしないが、中堅水槽は少し個体数を減らそうと思っているので、ここから10匹程度販売予定。

 

サカサクラゲ/きらら舎

サカサクラゲは体内に褐虫藻という褐色の藻を共生させている。

しかし、我が家のものはそれが少ないようで、薄い青色をしている。

 

サカサクラゲ/きらら舎

サカサクラゲ/きらら舎

サカサクラゲ/きらら舎

 

青色が濃いものと薄いものがあるのだが、これはもともとポリプ壜で2種類のDNAの個体が同居してしまったためと思われる。

遊離したてから青っぽいものと褐色をしたものがある。

しかし、環境のせいなのか、最近、水槽に移すとどれも青色が増してくる。

ツノガエルのように青上げの餌を与えているわけでもない(餌はブラインシュリンプだし)。

 

中堅は10匹だけ。

あとは小さな個体を販売予定。

 

 

ミズクラゲエフィラはもりもりご飯中。

大量のブラインシュリンプを与えている。

そのため、一日に2回、全換水をしている。

ちゃんと餌を食べているものは真ん中がぷっくりとブラインシュリンプ色になる。

 

ミズクラゲ/きらら舎

 

 

マミズクラゲ。

その名のとおり、淡水にいるクラゲ。

これはたった1匹のフラスチュール(0.5mm)(ポリプの前段階。サカサでいうとプラヌロイド)を5400円で買ったもの。

周囲にバカにされながらも、なんとか維持している。

 

容器がすでにかなり汚い上に、容器の外側からの撮影なので見づらいが、結構殖えた・・・・・

マミズクラゲ/きらら舎

 

そうだ、L-eye!

 

マミズクラゲ/きらら舎

口でブラインシュリンプを捕まえている。

細長いミミズみたいなのがフラスチュール(0.5mm)

ポリプはフラスチュールを出して殖えていく。

 

 



机のまわりの小さなタイドプール〜秋その2〜

明後日の海月観察会のメインはミズクラゲのストロビラ&エフィラ遊離の観察。
人間の出産予定日や櫻の開花予想と同じくらい、確実にこの日というわけにはいかないのだが、
専門施設で温度・給餌・光量を調節することで観察会ではほぼいい感じを観察することができる。

海月観察会では、その時に発生しているクラゲも観察できるようにしたいと思っていて、
まだ2日前なので、突然死んだりする可能性もなくはないのだが、
とりあえず現時点の状況を記しておくことにする。


ミズクラゲ

これは気温が下がったら、専門施設にてストロビレーションを起してクラゲを発生させる・・・・ので、
現在はポリプがストロビラ化している状態だろうと思われる。
明日、到着する。

ミズクラゲポリプ/きらら舎
通常のポリプ。このまま殖える。

ミズクラゲポリプ/きらら舎


ミズクラゲポリプ/きらら舎
ストロビレーションが始まった。

ミズクラゲポリプ/きらら舎
だんだん色が濃くなりくびれがはっきりしてくる。

ミズクラゲポリプ/きらら舎
ミズクラゲポリプ/きらら舎
ミズクラゲポリプ/きらら舎
拍動が始まった

ミズクラゲポリプ/きらら舎
ミズクラゲポリプ/きらら舎
エフィラ遊離

海月観察会では、希望者には持ち帰っていただくのだが、かなり数は余ると思われる。
遊離したエフィラ幼生(クラゲの前段階)は別の容器に移す。
参加者の方にはストロビラを1〜2個、お持ち帰りいただくので、発生するエフィラは10〜40個体くらいであろう。
平均して20くらいだと予想される。
これ以上多かった場合は容器を複数用意して対応していただく予定。

参加者といっても少ないので、かなりの数は残る。
個人的に毎年の行事であるが、
100以上のエフィラとなるので、飼育容器はペットボトルで自作する。

今年はたくさん発生しているサカサクラゲと共に、 11月26日(日)のアクアリウムバスにて販売予定(間借りしての出店)。

エフィラはこの時期にはメタフィラ〜稚クラゲとなる。
ミズクラゲ/きらら舎

何段階かに調節してみる予定。
その後、水槽のパンチングボードの穴から吸い込まれないサイズになったら 水槽に移す。
今年は何か月飼育ができるだろうか。
(いずれにしても小さな水槽で1年は生きないので、来年、また海月観察会に合わせてクラゲを出す)
ポリプはそのままあまり増やさないように調整しながら飼育していく。


サカサクラゲ
ミズクラゲのポリプは基質からはがしてもまた再固着するので、ストロビラで配布しても
クラゲを出した後は、容器に固着してそこで生活を始める。
しかし、サカサクラゲのポリプは再固着できないので、滅多には配布はしない。
(夏休みには少し配る・・・・・そうしないと増える一方なので)

飼育はじわじわ増えるポリプびんと、サイズで分けている水槽が2つ。
エフィラをサイズわけしていくつかの容器。
サカサクラゲのエリアは大き目である。

今回は毎日出ているエフィラと少し大きくなったものを観察できるようにする。


エダアシクラゲ
撮影した写真を見ると、前回大量発生したのは今年の2月である。
普通は気温が上がるとクラゲが発生するはずなのだが、夏の間はしょぼしょぼのポリプのみであった。
最近、またクラゲが出始めた。
あまり出過ぎるとポリプは縮んで弱るのだが、もはや発生のトリガーはわからないので
縮まないよう、給餌のスパンを短くすることにする。

これも観察会でお披露目できそうである。
エダアシクラゲ/きらら舎
ポリプは地味なのでお披露目はしない予定だが、ちょうどクラゲ芽がでていたら少しは面白いかもしれない。
エダアシクラゲ/きらら舎



ベニクラゲ
採集時、かなり成熟していたので、寿命としては1か月飼育できればよし、と言われていた。
そろそろ、その1か月が経過する。
個人的には一番好きなクラゲである。
ぜひ、参加者の方にもお見せしたいと思っていたのだが、なんとか生きていてくれているのでよかった。

ベニクラゲ/きらら舎ベニクラゲ
ポリプは専門家でも長くは飼育できないというので、現在は慎重に飼育している。
過保護なので、門外不出(笑)
ベニクラゲはプラヌラからストロン(ヒドロ根)がのび、そこからポリプが出芽する。
少しづつストロンが伸び、ポリプが殖えていく。
ストロンだけ伸びている状態のものもあるが、そこからポリプが出ることがまず難しい。

ストロンからポリプが出たものを観察していると、ブラインシュリンプを捕まえてはいるようだ。
しかし、上手く食べることができているのかはわからない。
いくつか出芽したポリプのどれか一つでも、ブラインシュリンプを捕食することができているのであれば ストロンを共有しているので、ポリプ全体に栄養がまわりそのポリプは安心である。

しかし、小さなポリプの場合、ブラインシュリンプを食べることができなければ生きていけない。

実はベニクラゲ水槽とポリプ壜には大量の微生物が発生している。
そのために弱っていることもないので、もしかしたら捕食対象かもしれないし そのままにしてある。

小さなポリプにワムシを与えてみることも検討したが、 現在の状況で安定しているので、少し様子をみてみることにした。

ただ、小さなポリプのためにベトナム産のブラインシュリンプを買ってみた。
グレートソルトレイク産よりもサイズが小さいのだ。
切りかえるのではなく、両方を与えてみることにする。

小さなポリプが上手く捕食でき始めると、ストロンの中心くらいのところに 栄養貯蓄場所ができるようだ。
本来であれば、捕食したポリプがブラインシュリンプ色に色づくのだが、
ポリプのブラインシュリンプ色はあまり長くは続かないようで、
栄養は貯蓄所に移送されると思われる。
ポリプが大きくなると栄養貯蓄所も大きくなる。
この貯蓄所ができると、少し安心する。

ベニクラゲポリプ/きらら舎
ベニクラゲポリプ/きらら舎

それから、ポリプは大量のブラインシュリンプの抜け殻みたいなものを付けている。
微生物はこれに付くのかもしれない。
抜け殻みたいなので、ポリプは全部呑みこまなくても、ブラインシュリンプの栄養分を吸い取れるんじゃないかと実は考えている。


エイレネクラゲ

エイレネクラゲもヒドロ虫綱のクラゲなので、ストロンで殖える。 容器の中は真っ白いストロンでいっぱいだ。
クラゲはあまりでない。

観察会では仕方がないので、ストロンだけお見せする。
(希望者には配布もする)

エイレネクラゲ/きらら舎


マミズクラゲ
その名のとおり、淡水に棲息するクラゲである。
現在ポリプのみ維持している。
地味だし小さくてわからないので、こちらのお披露目はなし。


朝の2時間

朝は2時間、生き物の世話に時間が割かれる。

ブラインシュリンプのエアレーションを止めて、

まずは隣の家の母のご飯と母の猫の水換えと甥の猫のご飯と水換え。

帰ってきたら、ブラインシュリンプを吸い取り、濾して、洗って

サカサポリプ壜、サカサエフィラ、タコポリプ壜、ベニポリプ壜ヘブラインを投入。

ベニクラゲを給餌容器にとり、ブライン投入。

ブラインシュリンハッチャーを洗って海水とエッグを入れてエアレーションをつっこむ。

淡水用にブラインシュリンプを濾して洗って塩抜き1回目。

その間にエダアシポリプ、エイネレポリプの水換えと給餌。

クランウェルツノガエルとマルメタピオカ(バジェット)ガエルの水替えと給餌。これは2〜3日に1回。

ベニクラゲを水槽に戻し、容器を洗ったら、そこにサカサクラゲ中くらい、または大きいやつをそれぞれ週1〜2のペースになるように取って給餌。

サカサクラゲエフィラ容器換水。
ウミホタルへ給餌。ゴミなどを掃除。

ブラインシュリンプ塩抜き2回目。

2〜3日に1度、ゾウリムシとミジンコに餌やり。
2〜3日に1度、ウメボシイソギンたちへ給餌。ゴミとり、少し水換え。

苔とサボテンに霧吹き、ツダナナフシの種に霧吹き・・・・・

淡水のマミズクラゲポリプとグリーンヒドラにブラインシュリンプ。
換水。

ボルボックスとピロキスティス、クロレラは給餌不要なので楽だけれど 時々植え継ぎをしないと全滅してしまう。

書きだしてみると、結構な手数だ。

生物は気にかけないと弱ってくる。
植え継ぎを忘れた、または、まだいいだろうと先延ばしして全滅させたり。
温度チェックを怠って、弱らせたり。
さらに、とくに何をしなかったわけではないのだけれど、世話がルーティンワーク化して 観察していないと、だんだん弱ってくる。

最近、思いがけずベニクラゲのポリプの固着に成功したものだから そして、維持が難しいと言われているものだから、そっちにばかり気を取られていた。


今日、エダアシクラゲのポリプ容器の中で小さなクラゲが数匹生まれていた。


少し大きくなっているのもいるから、多分数日前から少しづつ発生していたのだろう。
もっと忙しければ、気づかぬまま流しているか、死んでしまったかもしれない。


ベニクラゲ
クラゲ/きらら舎
クラゲ/きらら舎

確かに2日でストロンが伸び、新しいポリプができている。
ただ、以前のポリプが写真ではよく見えないのだけれど、弱っているような気もする。
そろそろワムシを食べさせてみることにしよう。


机のまわりの小さなタイドプール〜秋〜

ウミホタル

ウミホタルを飼育し始めて数年が経つ。
数年・・・といっても何年も継続できているという意味ではない。
毎年夏にウミホタルが発生すると、採集して送ってもらう。
これをどこまで長く飼育できるかという話である。

初年はなんとわずか数日であった。
スキャベンジャーとは知っていたものの、ゴカイを襲って捕食することもあるというので ブラインシュリンプを与えてみてしまったのだった。
なんと、それで全滅してしまった。
ウミホタル水槽(その時は大き目な壜)の中で、砂の上に絶命して白濁したウミホタルが点々としていて、上のほうでは元気よくブラインシュリンプが泳いでいた。

翌年は水が汚れるので毎日は餌をやらなかった。
やってもすぐに引き上げてしまった。
その結果、恐らく共食いをした。

その後は水質悪化と給餌量確保の調整が課題となっていった。
たいていは水質悪化か、水換えで死んでしまう(いなくなる)。

いなくなるのには餌が不足している可能性もあるので、 今年はできるだけ長めに餌を置いておいた。
その結果水質悪化がひどい。

底面フィルターがよいと言われたので、何年もそれで飼育していたが、ウミホタルは一日の大半を砂の中で過ごしている。底面フィルターは砂で濾過をするシステムなわけで、水中で過ごす生物にはよいが、ウミホタルにはよくないのではないかと思い始めた。

そこで今年は9月になってから底面フィルターをやめ、スポンジフィルターに換えてみた。
明るい中、底面フィルターを抜き取り、スポンジフィルターをセットする。
電源は入れないでしばらくすると、水は静かになり、水中を泳ぐウミホタルの姿も見えなくなった。
そこでスポイトで水を抜き取っていく。
うっかり泳ぎだすウミホタルを吸わないように、少しづつ気長に行う。
1/3ほどになったところで温度を合わせておいた新しい海水を注ぎ、濾過器の電源を入れた。

それから1か月半が経過。
餌を入れてもウミホタルの姿が見えなくなった。
後から出てくるかもしれないので、数時間は餌を入れておく。
水質はかなり悪化している。
底面フィルターを導入していたまま、砂は洗っていなかったのでなおさらである。
もう、全滅したのかなと思いながら、今日、砂を洗ってみた。
洗うといってもあまりばしゃばしゃとは洗えない。
砂の中にウミホタルがいる可能性もあるからだ。
排水溝用のネットをざるにかけて水槽の水と砂を入れる。
残った砂をネットに入れたまま洗い用容器に入れて、海水を注ぐ。そしてそのままじゃばじゃば・・・・。
これを数回繰り返す。
水槽を洗って砂を戻し、海水を注いで砂をぐるぐる・・・・・。
汚れが浮き上がってくるので、海水を捨てる。
この時、再度ネットとざるを使うと効果的だとは思いながら、生き残っているかもしれないウミホタルに負担をかけないよう、そのまま水槽に海水を注いて、菜箸で砂をぐるぐる・・・・・

とりあえず、生存個体がいるかどうかわからないのと、海水があまり残っていなかったので、他の生物用に確保し、 水槽の半分にだけ海水を注いで様子を見ていた。

すると大きな個体が1匹。
砂の中から出てきて、水中を泳いでいる。
かなり大きいので卵を抱えているメスかもしれない。
寿命を考えると2世代目くらいか。
これが抱仔するまで生きているか、また、抱仔された個体が生き延びるかは難しいところだが、ヒーターを入れてもうしばらく様子を見てみようと思う。
・・・・・と、ここまで書いたところで、来年、ウニの受精発生のワークショップを行う件で、田口教育研究所の田口さんから電話がかかってきた。
ウミホタルの話題になった。
それで、濾過装置は不要だと教えていただいた。理科系素人なので、研究者の言うことは何でもきく。早速スポンジフィルタをはずし、ブクブクだけにしてみた。


クロレラ・ゾウリムシ・ミジンコ

以前、エイレネクラゲが生まれた時のために、シオミズツボワムシ培養を始めたことがある。
ワムシの餌はクロレラ。シオミズツボワムシという名前からもわかるように飼育水は海水である。
しかし、汽水なので、餌は淡水のクロレラ。
シオミズツボワムシは海生生物に必要なDHAやEPAといった高度不飽和脂肪酸(HUFA:Highly Unsaturated Fatty Acid)が含まれていない。そこで、餌として与える前には海水クロレラ( Nannochloropsis oculata )で栄養強化を行う。
でも、エイレネクラゲはほとんど出ず、出てもすぐにいなくなってしまうため、ワムシとクロレラ培養が無意味になってしまい、中断していた。

最近になってカエルの餌のメダガを飼育するためにクロレラ・ゾウリムシ・ミジンコの培養を再開した。
ミドリゾウリムシは細々と培養している。
気合を入れるとゾウリムシはみるみる殖える。
それにつれ、ミジンコも大きくなってきた。
淡水クロレラがあるんだからと、再度、ワムシを始めることにした。

それというのも、ベニクラゲのポリプが固着したためだ。
研究者はみな、ベニクラゲのポリプ維持は難しいという。
第一人者の久保田先生までもそういうのだから、このポリプも長くは維持できないのだろう。
でも、ブラインシュリンプを食べてはいると思うのだ。
固着しているポリプは結構いるので、その中には、食べることができていないものもあるいはいるのかもしれない。
ストロンだけのものもいそうだし。
そんなことをメールすると、 クラゲ師匠は「ちいさいポリプには孵化後のブラインを 針でつぶして、中腸腺の中身とかを与えるというのが 定番」だと返信がきたのだが、老眼にはむずかしいしめんどくさい。
なのでワムシを強化して与えてみる作戦にでる。


微生物BAR

古生物学者の阿部勝巳さんという人がいる(いた)。
1953年葛飾区柴又の生まれで、古生物学者でありながら、ウミホタルの研究されていた。

昔から、海の近くに住みたいと思いながら結局叶わずにいるが、ネットが広まってからは、海の近くに住んでいる方に採集を依頼できるようになった。
生き物の交換も簡単になった。

数年前のそんなある日、ウミホタルが届いた。

最初のその時はブラインシュリンプを投入して全滅させてしまった。
翌年は水質悪化か水替えショックかで長くは維持できなかった。
その翌年からは、濾過装置や砂を試行錯誤して、今年はもう数か月生存している。

いつか冬を越したいと思っているのだが、その前にウミホタルたちが棲んでいる砂を洗うことを成功させねばならない。

インターネット上には大抵の情報が(真偽は別として)あるように思いがちだが、
マニアックなことはなかなか探すことはできない。
ウミホタルについて調べていくと、それを研究している人や研究室のサイトやブログに出会うことになる。
そこでも十分な情報は得られないと、本に頼る。

こうして、出会ったのが阿部勝巳さんの『海蛍の光 -地球生物学にむけて-』という本。

ウミホタルの情報がいろいろ得られたのはもちろんだが、その切り口に驚いた。
自然科学の本は(自然科学者はというべきか)客観的でなくてはならないというきまりがあるのかと思っていた。
それほど、個人的なことや余計なことは書かれていない(わたしとは正反対)。
しかし、 阿部さんの本は、わたしがウミホタルに興味を持つきっかけとなった松本清張の作品にも触れていた。 このことは以前のブログにも書いたので省略する。
断然、阿部さんに興味がわいたので、他の著書も読んでみることにした。

『ワイングラスかたむけ顕微鏡 古生物学者のひとりごと』

なんか、もうね・・・・・タイトルが、わたしのためにある感じ。
そこで、これ、カフェでやってみるかなと思いたつ・・・・・
自宅ではすでにこんなことは普通のことで、ワインじゃなくって日本酒とかバーボンだということが少し違うのだけれど、お酒を呑みながらミクロの世界を覗くと数ミリの空間の中にたくさんの命が生きていて、そこに同化できる気分でとても楽しい。
阿部さんの命日である8月21日はすぎてしまったけれど、カフェで微生物BAR、やってみようかなと思う。


ミジンコ!?

姪のメダカ水槽のメダカがすぐ死んでしまうというので、エアレーションしたり、雨水が入らない場所に移したり、いろいろしてみたけれど、やはり、長く生きない。

そこで、我が家のクロレラとゾウリムシとミジンコで食物連鎖の水槽を作ることにした。

もはや1匹もメダカがいなくなったメダカ水槽に水を貯めて強力ワカモトを1粒入れ、丸2日エアレーションをした。
そこにクロレラを少々、ゾウリムシをまあまあ、ミジンコ少々を投与して1週間が経過した。

メダカを買ってくるのは姪の父である弟の役目なので、メダカが来るまではまだ数日ある。
メダカ水槽の食物連鎖はどんな感じだろうかと今朝覗いてみてびっくり!

なんか、いる・・・・・
ミジンコにしてはでっかい。
大ミジンコじゃなくって普通のミジンコとタマミジンコを入れたはずなのだが、でっかいウミホタルくらいの大きさのものがちょこまか動いているのである。
サイズは4mmくらい。
捕まえてきて撮影してみた。
生きたままスマホ撮影なので画像は悪いが、なんとか姿はわかる。

ミジンコ/きらら舎

緑色なのはクロレラを食べているせいだろう。
背中にたくさんの卵を背負っているので、そのせいで大きいのかもしれない。
でも卵も緑・・・・・
まあ、いいか。


好きな人

最近になって、突然、母が「ハエトリグサ」がほしいと言い出した。
このことは表ブログ(ハエトリグサ)に書いたのだが、 理由を聞くと、実母が栽培していたのだという。
母の生家は墨田川のほとりの機械屋である。居間から続く土間が店舗で、いくつかの機械が置かれていた。薄暗い部屋に並ぶ何に使うのかわからない、大きな歯車を持つ機械がなんだか好きだった。
店前には道路をはさんでガスタンクがたくさん並んでいて、ゴジラが来たら怖いなあといつも思っていた。
母の母は夫が徴兵され、家計を支えるために家の近くで小さな料理屋をはじめた。

それで蠅を捕る草が必要だったのか・・・どうかはわからない。
実母とは小さなうちに別れて養女となった母も、その記憶から何度かハエトリグサを栽培してみたのだという。
頑張って蠅を捕まえて、長い睫毛のような棘を持った口の中へ押し込んでいたらしい。
(この形ゆえに、英名ではVenus Flytrap、女神の蠅を捕るトラップ(罠)と呼ばれる)
でも、その結果黒くなって枯れてしまうのだという。
最近、ハエトリグサにチーズを与えることがテレビで紹介されたらしい。
それで改めて栽培したいと思ったようだ。

いろいろな生き物に興味があるのは遺伝かもしれないと思った。

幼い頃から家にはいろいろな生き物がいた。
近所の植物の記録もしていた。

大人になって、クラゲのポリプや微生物なども飼い始めた。
小さい頃にはケンミジンコやシーモンキーなども飼ったけれど、そこから卒業できていないことになる。

・・・・・で、好きな人の話。
最初は荒俣宏さん。
博物学をいろいろな視点で紹介している。
ヴンダーカンマーをちゃんと知ったのも荒俣さんからである。
大学時代、澁澤作品にヴンダーカンマーが出てきて、どんなものなんだろうと 思ったまま、大学生はいろいろやることがあるから忘れていたのだが、荒俣さんの著書を読んだり、イベントに 足を運んで、ああ、そういうものなのかと知った。
興味のあることをちゃんと深く調べているところがすごい・・・だから好き。

その後、ウミホタルを飼育し始めて知ったのが阿部勝巳さん。
自然科学系の本は主観を極力抑えて執筆する中、そうではない人。
かなり好きな人である。
ウミホタルのイメージは実は松本清張に発している。海が光り、漁師がそれをウミホタルだといい、この量だとかなり大きな獲物だというくだり。
つまり、ウミホタルが群がっているのが人間の死体だという想像を読者に与えるための部分。
このことがウミホタルの本(『海蛍の光―地球生物学に向けて―』)にも掲載されていた。
ウミホタルの性質と清張の描写の矛盾点を指摘しながら、あるいは描写を検証しながら ウミホタルの性質について書いてある。

それを読むと、ウミホタルは摂食時には光を出さないなどが記載されている。確かにそうだ。
ウミホタルが光る(ルシフェリンとルシフェラーゼを放出する)のは、敵に襲われた時と求愛の時だけだ。
人間の死体を食べながら海の底で光る大量のウミホタル・・・光ったほうがサスペンス要素倍増ではあるが。

死体を食べるウミホタルへの偏見が少しだけとけた。
しかし、ウミホタルはスキャベンジャであり、死体を食べることには変わりないのだが・・・・・

阿部さんの文章は好きで、主観やら文学作品の引用がたくさん入っているので、とても楽しい。文章の向こうに ウミホタルが大好きなおじさんの気配がちゃんとある。
と、本を読んでいたにもかかわらず、今日、チーズ入りはんぺんを買ってしまった。
つまみにもなるかななんて思ったのだ。チーズじゃなくてはんぺん部分を水槽に投与してみた。
沈まない・・・・・そりゃそうだ。
ウミホタルは海面の餌は食べないのにはんぺんを買った失敗にそこで気づく。
砂からわらわらと出てきたウミホタル。海面まで行くのだが、そこに浮かぶはんぺんには喰いつかなかった。
はんぺんは早々に回収し、いつものシラスを投与した。

そろそろ生存が難しい季節になってきたけれど、まだ大きな個体は頑張っている。

さて、次はクラゲの分野で好きな人。
ベニクラゲ研究者の京都大学の久保田信先生。
久保田先生についてはベニクラゲの記事にも書いたのだけれど、ベニクラゲを研究するだけじゃなく、ベニクラゲが好きすぎて、自らベニクラゲマンのコスプレをしたり、ベニクラゲ音頭を作ってしまった。
ベニクラゲの若返りのメカニズムが解明できたら、医療や美容に多大なる貢献をするだろう。
しかし、それだけで研究をしているのではなく、本当にベニクラゲが好きなんだなあと思う。

そういえばびん博士もボトルブルースを歌っている・・・・・

自分が興味の対象を1つに絞れないので、逆に、1つのことを長く深く研究し続ける人を尊敬する。


ベニクラゲ

べニクラゲ/きらら舎

表ブログにも紹介したが、クラゲ研究所からベニクラゲが届いた。

ベニクラゲ。
英名はImmortal Jellyfish
Immortalとは不滅という意味。

ベニクラゲの成体が生存の危険にさらされると、他のクラゲと同じように肉団子になる。 クラゲを飼ったことがあれば誰もが経験していることだが、クラゲは弱るとどんどん縮んで粒になって、やがて消えてしまう。
しかし、ベニクラゲはキチン質の膜で肉団子となった体を覆い、どこかに固着し、そこからストロン(ヒドロ根・・・植物の地下茎みたいなイメージ)を伸ばすのだ。
あとはヒドロ虫綱のクラゲなので、それと同様にポリプが生える。再生(若返り)成功である。

ベニクラゲの若返りは京大の 久保田 信 先生が取り組んでいて、ベニクラゲ音頭のCDまで作っている。
久保田先生の説によると、ベニクラゲはテロメアを修復できるのではないかということ。
テロメアとは染色体の末端に存在し細胞分裂の回数を制限するもの。
通常は細胞分裂を繰り返すたびにテロメアが短くなり、ついには分裂ができず老化となる。
しかしベニクラゲは分裂によって短くなったテロメアの長さを酵素などで修復できるのではないかというのである。
ただし、これは久保田先生のあくまでも仮説。

もう一つ面白い話がある。
ベニクラゲが肉団子になる前に口柄だけが切り離される(あるいは肉団子になる前に消滅する)という。切り離された口柄はそれだけで摂食し、有性生殖もするのだというのである。ベニクラゲの寿命の倍も口柄だけで生きることすらあるらしい。
そういえば、以前、エダアシクラゲが発生した時、傘がなくなり口柄だけになったものがブラインシュリンプを捕食していたことがあった。口柄のまま1週間ほど生きていた。ブラインシュリンプを与えれば黄色くなっていたので、摂食していたのだと思う。

で、そのベニクラゲの口柄だが、この細胞だけは若返りをしないようだ。
ベニクラゲを切り刻んでも肉片からすべて再生することもあるのに、口柄の細胞だけができない・・・・・生殖と関わっているのは間違いないのだろう。

ベニクラゲの若返りはiPS細胞的なのではなく、分化転換によるもの。つまり万能細胞なわけではなく、とりあえず分裂をし、分裂した細胞が他の性質をもった細胞に変化をするというもの。さらにベニクラゲがすごいのは、分化した細胞がなお、細胞分裂できるということ。
以上はすべて久保田先生の説だが、早く解明されるといいなあ。

ところで、若返りはすべてのベニクラゲで起るわけではない。
どんどん殖えて、全員死なないとすると、地球上の海はベニクラゲだらけになりかねない。
実際には繰り返すのは久保田先生で9回が最高記録。一般人は1匹につき1回見ることができたらラッキーだろう。
南の海のベニクラゲ(ニホンベニクラゲ)に、この若返りが多くみられるそうだ。
今回のものは福島県からやってきた東北産なので期待は薄い。
ちなみに、ベニクラゲには現在、小さなニホンベニクラゲとよく写真でみかける美しいベニクラゲのほかにチチュウカイベニクラゲの3種類がいるそうだ。

ベニクラゲは生まれたては約1mmほどなので、今回の10mmもあるのは成熟個体。
採集時に稚クラゲを複数捕まえることができても、同じDNAである場合も少なくなく、なかなか飼育中に卵を抱える状態にはならないのだが、 今回はすでに卵を持っている個体がいるようである。

べニクラゲ/きらら舎
べニクラゲ/きらら舎


10月11日

「一か月生存できたらよし」と言われたベニクラゲ。
今日はちょっと可愛そうだけれど、卵かプラヌラを抱えていそうな個体を別容器に移して、スポイトで傘の内部を吸ってみた。
多分プラヌラが数個放出された・・・・・と思う。
ベニクラゲは給餌用の容器に戻し、プラヌラを観察・・・
顕微鏡で観察すると初期のプラヌラは紫と白のグラデーション。
その後褐色と白のグラデーションになってストロンを伸ばし始めるらしい。
ベニクラゲ/きらら舎ベ

プラヌラは見えるけれど、顕微鏡で観るために死なせてしまうのももったいないので、今回はそのままポリプびんへ入れることにする。
で、ふと思ったのだけれど。
若返りって・・・・・
プラヌラが傘の中に残っていて、実はそこに固着していて、クラゲが死んだあと、ストロンが外に出てくるんだったりして・・・・・なんて。ふと思った。


ウメボシイソギンのランチ

家が狭いので、うちには大きな水槽はない。

一番大きなものでミズクラゲ用の30cm。

クラゲでもイソギンチャクでも餌が豊富だとすぐにでっかくなる。
ポリプの場合はまずは殖える。
だから小さな水槽で飼育しているものには、あまりご飯を与えない。

ウメボシイソギンは週1くらい。
ミナミウメボシイソギンは分裂したら欲しいという人がいるので、2日に1回給餌をしている。

ウメボシイソギンにはシラス(釜揚シラスと呼ばれている、白くてしっとりしたやつ)とクリルを交互にあげる。
今日のメニューはクリル。

大きいと吐き出してしまうので、まずは2cmほどのクリルを1匹、細かくちぎる。

ウメボシイソギンチャク/きらら舎

これに水槽の水をスポイトで少し入れてふやかす。
数分おいてやわらかくなったら、長いピンセットや菜箸などで触手に触れさせるとがっつりつかむ。
触手をしまって「ウメボシ」になっているやつも、先にスポイトで回りについている汚れを吸い取っているうちに、少しづつ手を伸ばす。

先に触手を広げているものにクリルをあげる。
引きこもりもその匂いに気づいて、すぐに触手を伸ばし始める。

ウメボシイソギンチャク/きらら舎

わかりづらいんだけれど、真ん中に口があって(矢印)、そこに呑みこまれていった。
クリルの先っちょがまだ少しでている。

チビは自分の体と同じくらいのサイズでも呑みこむ。
ウメボシイソギンチャク/きらら舎


バジェットガエルもやってきた♪

表ブログでは紹介したんだけれど    >>バジェットガエル


やってきたのは 9月10日
バジェットガエル/きらら舎

バジェットガエル/きらら舎
バジェットガエル/きらら舎
バジェットガエル/きらら舎 バジェットガエル/きらら舎
やがて手も出て
バジェットガエル/きらら舎


上陸!!
バジェットガエル/きらら舎
バジェットガエル/きらら舎
バジェットガエル/きらら舎
上陸といっても水生だから陸は作ってないのだが、とりあえずオタマ卒業ってことで。

ただ、上陸直前に浮き病にかかってしまった。
食べたものでガスが溜まったというより、パクッとする時に空気を呑みこんでいるような気がする。
片方に多く溜まったので体も傾いてしまって・・・・・

それで2日絶食してようやく沈んだ。
その間に尻尾がほとんどなくなった。
ところが一昨日、昨日と、ごはん再開したら、また右腹がぽっこり・・・・・
水深を深くして溺れても困るから、当分、水深浅めでご飯抜き!



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