実際には水生生物や微生物以外にも苔なんかもいる。
玄関のドアの外には種から育てた小さな樹木なんかも。
ベニクラゲ(成体:メドゥーサ)はまだ頑張っている。
採集してもらった時に成熟個体だったので寿命3ヶ月のベニクラゲではすでに2ヶ月は経過していると判断し、1ヶ月維持できればよし(の個体です)として送ってもらった。
ポリプもところどころ枯れてきているものの、その先は生きていて捕食しているので、もしかしたら新しいコロニーができるかもしれない。
(ちなみに、ベニクラゲのポリプは成長すると、中心部分に栄養貯蔵場所ができるようだ。
ここを中心として、放射状にストロンが伸びている。
そのストロンが部分的に透明になってしまっているのは、ポリプが萎縮すると栄養を送れなくなるので、ストロンが切れるのだそうだ。
この場合、中心に近い切断ヶ所以降は死んでいるのが普通だが、希にポリプは生きている(触手が伸びている)のに、ストロンが切れる場合があって、その場合はそこを中心にして新しいコロニーが形成されるとのこと。
しかし、これは一般論で、ベニクラゲの場合はまだ前例はないようだが。
もともとベニクラゲ研究第一人者の久保田先生でも、ポリプの維持はクラゲよりも難しいと論文に書かれたいたので、まあ、素人初心者はこんなもんだろう。)
ヒドロ虫綱の海月は水温が上がるとクラゲを出すと言われている。
しかし10月後半になって気温が下がってきてから、エダアシクラゲがクラゲを出し始めた。
2容器あるうちの両方とも、クラゲが出ている。
満腹中
これは11/4の微生物BARにて、Life is small Campanyの白根さんがL-eyeで撮影したもの。
触手が小枝のように枝分かれしているので、エダアシクラゲ。
触手の基部に近い方に吸盤があり、これを使って岩や海藻、飼育下では水槽の壁などにくっついている。
触手には水滴みたいな粒がついている。
触手の付け根にある黒い点は眼点。
エダアシもアクアリウムバスまでクラゲ出続けていたら、少し持っていってみようかな。
サカサクラゲの中堅水槽。
大きなものは販売はしないが、中堅水槽は少し個体数を減らそうと思っているので、ここから10匹程度販売予定。
サカサクラゲは体内に褐虫藻という褐色の藻を共生させている。
しかし、我が家のものはそれが少ないようで、薄い青色をしている。
青色が濃いものと薄いものがあるのだが、これはもともとポリプ壜で2種類のDNAの個体が同居してしまったためと思われる。
遊離したてから青っぽいものと褐色をしたものがある。
しかし、環境のせいなのか、最近、水槽に移すとどれも青色が増してくる。
ツノガエルのように青上げの餌を与えているわけでもない(餌はブラインシュリンプだし)。
中堅は10匹だけ。
あとは小さな個体を販売予定。
ミズクラゲエフィラはもりもりご飯中。
大量のブラインシュリンプを与えている。
そのため、一日に2回、全換水をしている。
ちゃんと餌を食べているものは真ん中がぷっくりとブラインシュリンプ色になる。
マミズクラゲ。
その名のとおり、淡水にいるクラゲ。
これはたった1匹のフラスチュール(0.5mm)(ポリプの前段階。サカサでいうとプラヌロイド)を5400円で買ったもの。
周囲にバカにされながらも、なんとか維持している。
容器がすでにかなり汚い上に、容器の外側からの撮影なので見づらいが、結構殖えた・・・・・
そうだ、L-eye!
口でブラインシュリンプを捕まえている。
細長いミミズみたいなのがフラスチュール(0.5mm)
ポリプはフラスチュールを出して殖えていく。
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やがて手も出て
上陸!!
上陸といっても水生だから陸は作ってないのだが、とりあえずオタマ卒業ってことで。
ただ、上陸直前に浮き病にかかってしまった。
食べたものでガスが溜まったというより、パクッとする時に空気を呑みこんでいるような気がする。
片方に多く溜まったので体も傾いてしまって・・・・・
それで2日絶食してようやく沈んだ。
その間に尻尾がほとんどなくなった。
ところが一昨日、昨日と、ごはん再開したら、また右腹がぽっこり・・・・・
水深を深くして溺れても困るから、当分、水深浅めでご飯抜き!
2日目(8/25)
オタマはクランウェルツノガエル。
ペパーミント同士のかけあわせなので、ペパーミントカラーになる確率が高いようだが、オタマ時代には模様がなく、実際にはどんな色になるかはわからないのだそうだ。
5日目(8/29)
骨格が目立つようになった。
カエルの模様も現れた!
脚ももはやカエルのそれ。ほっぺが赤い気がする。
また、撮影できなかったのだけれど、裏から見ると体内で手ができているのがわかる。
ちょうどセーターの中に腕をまげて隠しているような、そんな状態。
6日目(8/30)
カフェにてヴォイドさん撮影
口がおちょぼ口じゃなくなってきているような・・・・
7日目(8/31)
なんと
歯が取れた!!
入れ歯をはずして捨てた感じ。
口も少し大きくなった。
8日目(9/1)
上陸!!
目玉が上に飛び出てきて、口も昨日よりさらに大きくなっている。来た時の顔と全然違う!!
もはやカエル!
姪に買ったのはファンタジーツノガエル。クランウェルツノガエルとアマゾンツノガエルの交配雑種で、飼い易いということで買ってみたもの。
口がでっかい。舌も長い。
動くものに喰いつく習性があり、ピンセットにも喰らいついてきた!
友人に言わせれば毎日が休日に見えるらしい。
好きなことをやって生活しているので、苦ではないけれど、時給換算すれば安いので貧乏暇なしを実行しなければならないわけだ。
お盆休みもないのだけれど、久しぶりにイベントへ出かけてみた。
出店者としてではなく、お客として呑気に見て歩くのも楽しい。
誰も一緒に行ってくれる人はいないので一人で行くかと思っていたところ、 サカサクラゲをおしつけた近所の人と甥&姪が一緒に行くことになった。
爬虫類や両生類、苔や水草や金魚。 モモンガやインコやネズミやハリネズミなどが売られていた。
カブトムシ、クワガタもいた。 オオミジンコも売られていた(これは何かの餌用だろう)。
タランチュラやサソリがいた。
いろんな趣味があるもんだと歩いていると、なんと、ゴキブリまで売られていた。
コオロギその他の虫は餌用なんだろうけど、ゴキブリもそうなのかな・・・・・・考えるのはやめておこう。
以前、このイベントでクラゲのポリプを買ったという人がいたのだけれど、今年はクラゲやポリプはいなかった。
ちょうど、待ち合わせしてウメボシイソギンをクラゲ友達のヴォイドさんに渡した。
以前、このイベントでポリプを売っていたのは彼らしい・・・・・ なんと世間の狭いこと!!
フトアゴトカゲの飼育を両親に許可してもらえなかった甥&姪は、それぞれ、ツダナナフシの卵とファンタジーツノガエルを買って帰路についた。
ツダナナフシは孵化のタイミングを実験することにする。
天氣後報 II
]]>Life is small. Companyの白根さんという方からメールが届いた。
『鉱物レシピ』を読んでくださって、きらら舎に辿りついたそうだ。本はこういう縁も繋いでくれる。
L-eye は発売前から気になっていて、発売直後にきらら舎でも扱っていたことがある。
しかし、当時は iPhone用だったので わたしのスマホではレンズの位置が異なり、使い勝手があまりよくなかった。
その後、クマムシ観察のためにデジタル顕微鏡を、ポリプ観察のために立体顕微鏡を買ったので L-eye のことはあまり気にしていなかった。
そこへ、白根さんは鉱物のマクロ撮影ができますよ!と新作を持参してはるばる神奈川から来て下さった。
鉱物のマクロ撮影は憧れで、 Yaiba Sakaguchi さんが好きで、以前にTメーカーさんに教えてもらいながらベローズを買ってみたこともある。マクロレンズも買ったけれど、結局使いこなせていない。
スマホのズームでいいや・・・・・最近はそう思ってさえいた。
『標本BOOK』の書店キャンペーン用に入手した解剖顕微鏡は雰囲気もよく、カフェで細かい結晶を観察してもらうには、これで十分でもあった。
久しぶりに手に取る L-eye はずいぶんと進化していた。
倍率もいろいろあり、さらに反射型以外にも蛍光顕微鏡、発光顕微鏡、
そこで、ここ数日、宿題サポートのお問合せが多かったので、急遽 L-eyeのワークショップを行うことにした。
宿題には、ボルボックスやモルフォ蝶の翅、雲母の光の干渉などの説明ができる。
その中で興味を持ったものを(全部でも)まとめて、さらに自分で撮影した写真や被写体実物を添えて提出すればよい。
個々の自由研究でなく、マクロ写真そのものをたくさん撮影して提出してもいい。
拡大されているとそれが何かわからないから、それが何であるか、どの一部であるかなどを合わせて記載すれば立派な宿題になりそうだ。
夏休み中と思ったので8/30(水)しかなかったのだけれど、本当は自分が一番やりたかったんだ。
超拡大したグリーンヒドラの捕食の様子がサカサクラゲのエフィラの動画を撮ってみたい。
青針銅鉱も解剖顕微鏡で観るよりきれいだろう。
永久プレパラートペンダントだって・・・・・
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ミズクラゲのようにポリプ自体が分裂したりポッドシストという体の一部を残して移動し、その一部が再生するもの、
カギノテクラゲやマミズクラゲのようにポリプが全長0.5 〜 1.0mmの蠕虫状のフラスチュールと呼ばれる幼生を放出するもの、
ヒドロ虫綱はちょうど地下茎のようなヒドロ根(ストロン)を伸ばし、そこからヒドロ花と呼ばれるポリプを出す。
タコクラゲやサカサクラゲはポリプからプラヌラのようなプラヌロイドを出す。
ミズクラゲやヒドロ虫綱の場合は、換水も気軽に行える。
マミズクラゲ目のフラスチュールも基本、匍匐前進だから、水面付近をスポイトで吸い取っていけば、フラスチュールを吸い込むことは少ない(ゼロではない)。
それに比べてプラヌロイドを出すポリプ壜の換水は難しい。
ところが今日、サカサクラゲのポリプ壜の一つが濁っていた。
多分、海水を入れてはいけないガラス壜を使っているので、ふたが錆びて、錆などを含んだ水滴が壜内に落ちたと思われる。
1/3ほどスポイトで吸い出して換水したが、濁りは取れない。
そこで小さな給餌用のタッパ(水槽のような形)にザバババ〜〜ッと1/3ほど流し出して、きれいな海水と入れ替えた。
タッパをみると、ザバババ〜〜〜ッの中には小さなはぐれポリプやエフィラの姿がある。
スポイトで吸って、壜に戻す。
さて、ここからが大変。
下に黒い紙を敷いて、老眼鏡をかけて小さな白い粒を一つ一つスポイトで吸い取って、シャーレに移していく。
シャーレの下にも黒い紙を敷いて、吸い出したものをルーペや顕微鏡で調べる。
今回はスマホカメラの倍率を最大にする方法(これが一番手っ取り早い)で見てみた。
0.2〜0.5mmほどの白い粒。
これらがサカサクラゲのプラヌロイド。
結構たくさんいる。
忙しい時に換水すると、もういいや!!って、排出した水を確認しないで捨ててしまっていた。 今まで、結構捨てていたのかもしれない。
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食用とは別に水槽用海藻として届いたウミブドウは思いのほか大量だったので(うちの水槽がすべて小さいともいう)、ポリプともだちのヴォイドさんに 2/3 ほどおしつけた。
その後、ヴォイドさんがウミブドウを投入した水槽で不思議な生き物が見つかった。
画像を送ってもらったところ、ヒラムシとか言われている生き物に似ていた。
(ヴォイドさんが撮影したものを勝手にトリミング)
昔はそう分類されていたこともあるらしい。
今は「無腸動物門というよくわからんグループの動物らしくて適切な呼び名すらない」のだそうだ。
ところでウミブドウは、あげた(押しつけた)残りの1/3をカギノテクラゲがいた水槽に投入していた。
カギノテクラゲは寿命も短く、採集したものをもらってしばらく飼育していたのだが、先月中旬に全滅して今はなにもいないように見える。しかし、水槽を洗ったりはしない。
カギノテクラゲは「ヒドロ虫綱淡水クラゲ目」、つまり、うちにいる同じ「ヒドロ虫綱淡水クラゲ目」のマミズクラゲとポリプや無性生殖が同じだと推察できるので、ポリプはよくあるポリプの形(触手を伸ばしたイソギンチャクみたいな形)はしていないし、さらに小さな糸くずのようなフラスチュールを出すはずだ。
飼育している間、有性生殖が行われて、水槽の底砂にポリプができている可能性がある。
しかし、ある程度殖えたりクラゲがでなければ確認は難しいと思う。
水槽を洗えないので、水をきれいにするためにウミブドウを入れてみたのである。
しかし、ウミブドウは24時間ずっと光をあてていないと傷んでくる。
水を少しでも浄化しようとして投入したものが痛んでしまっては元も子もない。
最初に2/3を引き取ってもらったヴォイドさんに残りも押しつけた。
彼は24時照明をしているので、弱ったウミブドウも復活させてくれるだろう。
また、何もなくなった水槽を見て、せめて壁面だけでも洗おうかなと思い、残ったウミブドウのかすを拾っていたところ、水槽の壁面に数日前に「たぶん海ぶどうに付いてきたと思う」と画像が送られてきたアイツを発見した。
名前がわからないので、とりあえず無腸動物と呼んでいるが、猫を見て脊椎動物と呼んでいるに等しい。
なんとか SP付きでもいいのでもう少し詳細なグループを知りたいものだ。
全面的な信用はしていないけれど、まずはwikipediaで検索してみる。
結局よくわからない。
どうやら、アクアリストには好かれていない生物であるようだ。
しかし。よく観察していると結構可愛い。
奥歯のような、羽根のないクリオネのような、そんな姿。
白っぽい半透明な体の中央に色づいている部分がある。
動く方向から、二股に分かれているのは尻尾側だとわかった。
ブラインシュリンプを食べると教えてもらったので、早朝に洗っておいたブラインシュリンプを与えてみる(半数以上死んでいたんだけど)。
口が大きい。
壁を這って口を開けてブラインシュリンプを食べる。
方向転換は思いのほか素早い。
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カフェの前で夕飯の残りのようなものや、缶詰を直に置いていく人がいるので、掃除が大変だから皿を置いておいた。
変なものを食べて死んでしまった猫がいるので、 「ドライフード以外与えないでください」と貼り紙をしたら近所から苦情が来た。
それでトイレ場所も用意した。
地域猫はなかなか難しい。
実際に髭や尻尾を切られたり、毒を飲まされたりする猫もいる。
懐っこい猫ほど被害に遭う。
歴代の野良猫がいて、最近では数年前に身重で捨てられたアビシニアン系の雌がいた。
美女だが警戒心が強く、絶対に捕まらない。
これの子供が「部長」。
動作がおっさんくさいので、そう呼ばれている。
部長のママだからこの雌は「社長」と呼ばれている。
毎年、春に子供を2〜3匹産む。
一昨年前にわたしは奇形の仔猫を保護していたが(半年の命だった)、これも、この猫の子供。
さらに、昨年、育児放棄したのもこの猫。
3月下旬に駐車場で仔猫を産んだものの、雄にモテルため、出産後9日目に育児放棄して男のもとへ走ってしまった(笑)
放棄された仔猫は今、甥と一緒に母の家で飼っている。
そんな猫事情の中、昨年の育児放棄のあとすぐにまた仔猫が生まれた。
新・縞子と、新・無地子。
社長も高齢な上、体も小さいので、ここ数年は2匹しか産まない。
そしてたいてい、1匹が縞で、もう1匹がアビシニアン的な色の子である。
モテル社長の娘なので、2匹とも1歳になるかならないかの頃に妊娠した。
新・縞子(今、母の家にいるのがその前の縞子なので、こちらは新・縞子)は毎朝、カフェの前で猫に餌をやる方が引き取ってくれた(そこで生まれた仔猫、里親募集中)。
新・無地子は母親譲りで捕まらないまま、神社の倉庫の隙間で子供を産んだ。
2つの倉庫の隙間に人が通らないように板が打ちつけられている。
この写真はその隙間から撮影したもの。
そこに仔猫がいるとわかると、猫好きな近所のおじいちゃんたちは、板をずらして中を覗く。
たくさんの人が半分朽ちていた板をずらした。
そして、板は壊れた。
すぐに神社の人が板を補修し、中に猫は入れないようになってしまった。
そうなれば、第2の棲み処はカフェの横の駐車場になる。
社長は、娘の新・無地子(ビビりなのでビビと呼ばれるようになった。しかし、ビビりなのではなく警戒心が異常に強いのだと思う)に「シマ」をゆずってどこかに行ってしまった。
さて、この新・無地子改めビビの子供もまた、縞と無地だ。
しかし、数週間前から仔猫の姿が見えなくなった。
カフェの横に停めて車のそばで、ビビはずっと子供を呼んでいる。
雹が降った翌日のことである。
その翌日、車が点検に出された。
そしてボンネットを開けたら、縞のほうの仔猫がエンジンルームに入っていたとLINEが来た。
信じられないことに無傷。
点検を終えて、でっかいダンボールに入れられ仔猫は戻ってきた。
強運な仔猫は新新・縞子(ややこしくなってきた)。
新新・無地子の姿はない。
前置きが長くなったけれど、ここからがタイトルの内容となる。
昨日の朝、カフェの前を見ると、餌をもらったのかビビ一家が遊んでいた。
ビビと仔猫が2匹!
新新・縞子と、もう1匹の仔猫も縞模様。
そして若干小さい。 尻尾もなく、髭も切られている。
前の写真と比べてみても別人(別猫)だとわかる。
KENTさんに、エンジンルームで尻尾と髭が切れたんじゃないの?と聞いてみる。
「怪我もしてなかったし、連れ帰ってきた時、尻尾は長かった。」
多分、強運猫は一緒にいる、これ。
新新・縞子だろう。
それから3匹はずっと一緒(ついでに部長も加わって4匹一緒)。
ビビは仔猫をじゃらすように尻尾で遊んでやり、背中をなめているし、新新・縞子と一緒にじゃれて遊んでいる。
しかし、この子は誰なんだ!?
突然現れて、しかもそっくり。
シマを娘に渡した社長は少し離れたところで仔猫2匹と一緒に、誰かから餌をもらっていた。
ビビの子供よりも大きいから、こいつは社長の子供でもない。
縞子の名前はもはやなにがなんだかわからなくなったが、こいつは今、謎・縞子と呼ばれている。
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そのため、昼間は砂に潜っていて夜になると活動し、
真っ暗なほうがたくさんの個体が水槽内を泳いでいるのを確認できる。
が、真っ暗だと撮影が難しい。
とりあえず、夜、少し離れた照明だけで、給餌をしてみる。
メニューはカニカマと魚肉ソーセージ。
極端に水質を悪化させる刺身や生レバー以外では、この2つが人気があるようだ。
では、この2つのどちらがお好き?ってことで2種類の欠片を投入してみた。
どっちも同じくらい?
魚肉ソーセージのほうが多い??
迷ってる???
砂の中にはあとどのくらいのウミホタルがいるのだろう。
・・・・・ってことでスポイトで砂を吹き飛ばしてみた。
驚いて青い光を放ったものがある。
ウミホタルは観察するために捕まえると光る液を出す。
光は、危険を仲間に知らせるためとか、敵を驚かせて逃げるため、威嚇と言われている。
体内で黄色く見える部分とその周辺を上唇腺と呼ぶ。ここに基質(ルシフェリン)と酵素(ルシフェラーゼ)があり、別々の管から射出される。 ルシフェリンとルシフェラーゼが海水中で混合してさらに海中の酸素と化合して、青白色(460nm)に発光する。
真夜中、ウミホタルの水槽では本当に蛍のようにポワッポワッと光る青い点が見える。
射出された発光物質は水にインクを垂らしたように見えるが、真夜中の光はウミホタルだけが光っているように見える。
しかし、別の管から出た基質と酵素が酸素によって加速させる化学反応だとすれば、ウミホタルの体内で発光物質は光らないと考えられる。 実際にNHKなどの番組資料を見ると、体内では光らないと書いてある。
ウミホタルの光は求愛にも使われるという。発光ディスプレイと呼ばれ、水面近くで螺旋旋回を行うらしい。
最初はこの青い点の光が、驚かせた時の光とは違うので、これが発光ディスプレイかとも思ったけれど、そうじゃないようだ。
しかし、発光ディスプレイと危険を察して放つ光のどこが違うのだろうか。ウミホタルがみればわかるのだろうか。
静かな水槽の中。
今夜もぽつりぽつりと青い点が光っている。
その後、ウミホタルの研究をしている阿部勝巳さんが書かれた『海蛍の光ー地球生物学にむけてー』(筑摩書房1994年3月)の中に答えになるかもしれないものをみつけた。
阿部さんは当初ウミホタルの発光を3種類としていた。
1つは捕食者に対する威嚇や逃げるための手段、それが結果的に味方への警告にもなる。
ウミホタルは分泌腺周囲の筋肉で発光物質の射出量を調節することができ、捕食者に対しては強烈な光を放つ量を射出する。
2つめはオスの求愛のためのもの。水面近くまで浮上したオスが螺旋を描きながら(そうではない場合もあるそうだ)光を放つ。 わたしは「これが求愛の光だ」と意識して観たことがないので、捕食者に対する場合とどう違うのかわからないが、月明りさえ嫌うというウミホタルが、嫌う光を求愛に用いるというのは、きっと全く違うように(ウミホタルには)見えるのだろう。
あるいは、光自体を嫌っているわけではなく、警告のための蛍光物質の射出や求愛の光が、外部の光によって効果が薄れてしまうことを嫌っているのだとすれば合点がいく。
さて、阿部さんが考えていた3つめの光。
「海底に見えるボーッとした光」
これこそが、わたしが蛍のような光としていたものだ。
真夜中、水槽の底でポワッと光る。実際には蛍のように点滅はせず、光がそこにある感じ。しばらく点っていて消える。そんな点がいくつか現れる。
ところが、結果的にこれも捕食者に対するものだったようだ。
目眩ましではなく、囮の光なのだという。光だけを点として残し、自分はそこから立ち去るのである。
詳しい説明は阿部さんの著書を読んでいただくこととしてここでは省略する。
しかし、ここでまた疑問が残る。
水槽に囮の光を使って逃げるべき捕食者(ハゼ)はいない。
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ウミホタルが来た。
毎年夏になると、採集・販売している人に送ってもらう。
ウミホタルは節足動物で、夏の夜の海で青い光を放つので有名なあれ。東京湾内のパーキングエリアにも、その名前が使われている。夜の海で光るといってもヤコウチュウとは違う生物で、さらにわたしが培養しているPyrocystis fusiformis (ピロキスティス・フィシフォルミス)とも違う。
ピロキスティス・フィシフォルミスは最初、ヤコウチュウとして販売されているものを購入した。
しかしよく観察しているうちにヤコウチュウではないような気がした。図鑑などに載っているヤコウチュウ(Noctiluca scintillans)はまん丸いがうちのはミカヅキモが肥ったような形なのだ。
三角フラスコで培養していて、外側からマイクロスコープで観察する。
細い三白眼がたくさんいる・・・・・・
販売者が説明している「エサは不要」にも疑問があった。ヤコウチュウは触手で他の原生生物や藻類を捕食するはずなのだ。しかし、これも図鑑の受け売りなので間違いかもしれない。
そこで販売者にたずねたところ、ピロキスティス・フィシフォルミスという植物プランクトンであった。
餌が不要なのはありがたい。
適度に光合成をさせて、増殖したら植え継ぎをすればよい。
ただし、ヤコウチュウではない。
さて。ウミホタルに戻る。
ウミホタルは産卵した後、胚や複眼ができると思っていた。
脱皮の抜け殻を観察しようと抜け殻っぽいものをスポイトで吸って立体顕微鏡+スマホで見ていたら、動く個体がある。
どうやら弱っている生体を吸い取ってしまったようだ。
ところが、これが卵を抱えている。
さらに卵には複眼らしきものがあるのだ。
この疑問にはすぐに答えが届いた。
ウミホタルは成熟すると卵を抱え、背甲に卵が移り受精、そのまま胚が発生して目玉のある「子ウミホタル」をおんぶしたまま暮らし、胚発生後約1か月で放卵ならぬ放子する
そのあと、さらにウミホタルを研究している方から、
ウミホタル Vargula hilgendorfii ではなく、Skogsbergia abeiに観えます。
もうかなり発生が進んでいますので、1週間もしないうちに幼体が放出されると思います。
と、教えていただいた。
「Skogsbergia abei」というのは学名。和名はないらしい。
そこで学名でぐぐってみたら、大学の研究資料がヒットした。
なんと、教えてくださった方はそこのウミホタル研究者の方だった。
ウミホタルはミオドコーパ類に分類される。ミオドコーパは上目の名前。
これがウミホタル類としてよく使われているようだ。
この類に属する生物の一つではあるので、仲間といっていいと思う。
さらに、Skogsbergia abei は前述の続きで「個体によって消化器官の色彩が異なるという特徴がある種」とのこと。
その色彩の違いを観察するのも楽しいじゃないかと思う。
クラゲのポリプから始まり、
そこから発生したエフィラ。メデューサ。
チギレイソギン、ウメボシイソギン、ミナミウメボシイソギン、グリーンヒドラ・・・・・
小さなものはシャーレや100均の硝子容器で、大きなものでも20cmの水槽である。
そんなものが机周りにはたくさん並んでいる。
海に採集にはなかなか行けない生活の中で、小さなタイドプールで遊んでいるのである。
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元旦。
わたしが子供の頃に比べると、特別感はずいぶんなくなっているけれど、それでも特別の朝という空気が充満している。
子供の頃は祖父はきちんと着物を着て、床の間には鏡餅が供えられ、お仏壇の花やお供えもいつもより豪華で、大掃除したてのぴかぴかな部屋で、家族全員でおせち料理を食べた。
父が作った凧をあげに土手へ行ったり、いろいろな人が新年の挨拶に来たり。
道路で羽根つきをしている人たちもいた。とにかく非日常の数日間の幕開けだった。
元旦の朝には、そんな遠い記憶の中の数日間につながっているような気がする。
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